神経症世界と健康世界の比較

 神経症世界  神経症が治った世界
ムードスウィング 毎日激しく上下に揺さぶられる。 微動するだけで、あまり意識に上らない。
治ったの錯覚 毎日この錯覚を繰り返している。そして変に喜ぶ。 治りは跳び上がって喜ぶもので無く、静かなる神経症軽快の自覚である。
治癒像 神経症が治った世界とは、症状が消えた夢の世界と妄想する。 神経症治癒とは、自由な心の世界と分かる。その世界では、症状が消滅した事を認識できない。即ち、治った自分を忘れた状態である。
強迫観念に襲われた後に、必ず鬱状態になる。 多くはないがフラッシュバックに襲われた時、短時間だけ鬱状態になる。
強迫観念 10分置きに発生する。 1日に1回程度、あるいは3日に1回。現在の斎藤では1年に1回程度。
フラッシュバック フラッシュバックに入ると、何時やむか見当がつかない。 大体10分で通過する。酷い時で数日。我慢していれば間もなく通過する自信がある。
神経症の自覚 違いが分からない。正常とも異常とも見え、判断がつかない。 フラッシュバックに入った瞬間に、これから神経症世界に移行すると分かる。だから、何もするなの命令を的確に出せる。
体感愁訴 人により千差万別、私は脳の後頭部が重く、心臓が止まりそうな感じがした。その他、下痢、嘔吐等切りがないほど沢山ある。 何も愁訴するものがない。
不安 何にも過剰不安が発生する。しかも、その度合いが段々激しくなる。 健康な不安が短時間襲ってくる時もあるが、直ぐ通過するので記憶に残らない。
改善期待度 猛烈に求めていて、治った世界をばら色に見ている。 自分に症状があったことさえ忘れているから、期待は存在しない。
時間の移ろい 大変遅い 1日があっという間に終わる
疲労度 夕方には足がふらつくほど激しい疲労を感じる。 肉体的疲労を感じる程度。
希望 神経症が治った後に強い期待を寄せている。 今の処理に忙しい。期待が大きく膨らみ実現しそうな手ごたえを感じる
心の向う方向1 自分の内部に焦点が集まっている。 目、耳から入る外部の情報に注意が注がれる。
心の向う方向2 過去と未来に心は集中している。 今現在に心が向っている。
悲観度 物事全てに悲観的になっている 悲観でも楽観でもないニュートラルな状態。あるいは悲観も楽観も忘れた状態。
治す模索 1年中模索していて、関連の読書量は相当なもの。 全くしない。薬も飲まないし、本も読まない。
自分に対する命令 物凄い量のかくあるべしを、毎日自分に言い聞かせている。 自分に命令する言葉はない。
自分との対話 対話の連続である。 自分に語りかける言葉が消滅している。
迷い 何事を開始するのにも迷いが最初に立つ。 迷いはゼロ、だから能率が大変良い。
準備 あらゆる状況に対して準備をする。 出た所任せで準備の必要を感じない
予期恐怖 症状が出る場面を想像すると、激しい予期恐怖に襲われる。 特に苦手な場面以外は予期恐怖は存在しない。
思考の混乱 何時も混乱していて、一体、自分が何に恐怖しているか分からなくなっている。 思考は単純明快でクリアーである。問題の本質を瞬時に理解している。
動き1 異常に活発か、打ち沈んでいる。 ゆっくり落ち着いていて、無駄には動かない。
動き2 意識して動こうとする。 動く時、意識していない。自然に動いている。
決断 殆ど重要な決断がつかない。 決断は一瞬で、決断したとは思っていない。
挑戦 不安対象に、挑戦的態度で臨む。 不安対象から離れる。
人間関係 大変気にするが、言葉が乱暴で自分勝手なため、人間関係を損なう。 人間関係は日々の一要素に過ぎない。
友人 異常に欲しがる。 友人は自分を囲む環境の一部位に考えている。
集まりの中で 自分は孤立しているように思える。 会話に入っていないとも、孤立しているとも思わない。心は別な方向に向っている。
仕事の円滑度 心が恐怖、不安のみに向っていて、間違いが多く発生する。そのため、仕事の継続が難しい。仕事を頻繁に変える傾向がある。 心は自由であるから、自然に仕事に集中していて、間違いが少ない。余ほどの事がない限り転職は考えない。
意識の集中 不安を振り払うため、無理して心を集中しようとする。 集中と散漫が交互にやってきて、バランスが取れている。敢えて集中しようとは思わない。
工夫、気配り 殆ど出来ないし、やる気も起きない。 無意識に工夫気配りをしている。
わがまま わがままを否定しようとするが、結果的にわがままになっている。 日常、自分がわがままであるかどうかを問うことはない。
心の操縦 心は手動操縦で、何時も緊張している。 心は自動操縦で、前方を見ているだけで全ては順調に進む。
文字 早書きで乱れている。 ゆっくりきれいに書く。
せわしなさ 何時も何かに急がされているようで、落ち着きがない。 落ち着いていて動作が緩慢である。
日曜 朝から何をしようか考えているが、結局何もしないで終わる。 ぼんやり始まり雑用に追われて一日が終わる。
連休 何をして良いか分からず、連休が不安である。 私の場合は普段出来ない旅行を計画する。
激しく恨む。 恨みは大分軽減しているが、やはり人生の大半を無駄にした原因と考えざるを得ない。
やるべき順序 嫌なもの、不安を感じるものから開始しようとする。 苦手なもの不安を感じるものを後回しにし、楽しいものやりやすい物から始める。
怠け心 異常に勤勉たろうとする。 怠けも休養の一部。その後頑張れば良いではないか。
向上心 強迫観念を向上心と取り間違っている。 神経症者の向上心は強迫観念と見破る。
自意識 人が自分をどう見るか、強く意識している。 自分より他人を観察している。
各種療法 どの療法も効果があるように見え、選択眼がない。 療法は全て良くないと悟る
あるがまま 森田のあるがままを反芻しつつ、次第に狂いの世界を深める。 あるがままは幻想と悟る。
計らうな 自分に計らうなと言いながら計らっている。 計らうなと己に言い聞かせる行為が神経症である。
薬がないと不安でたまらない。 薬は飲んだことがない。
満足度 最低で殆ど満足してない。 これで十分と考え、あまり将来の事を考えない。



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