分析より直観

2016年3月7日

分析的思考は、解決方法が既に分かっている時には有効であるが、解決方法が分からない時は、閃きの方が有効であると言う、新しい研究結果が発表された。

「意識的、理詰めで問題を解決しようとして、しかも急ぐと、あやふやな結論に到達しやすい。第六感とか閃きは、無意識の中で思考が重ねられ、考えが熟成すると解答がポンと出て来る。時間には間に合わないかも知れないが創造性が高く、飛躍的な問題解決につながる事が多い。だから、真に問題を解決したいのなら、理詰めより自然に出てくる閃きを待つ方が良い」とドレクセル芸術と科学大学のジョーン・クーニオス教授は言う。

クーニオスの研究では、パズルを用いて閃き、理詰めの双方を比較している。結果は予測通り、閃きの解答にはより正しい解答が多かったのに対して、理詰めの解答は時間には間に合ったものの、間違う傾向があった。
「歴史を見れば閃きの凄さを物語る話は沢山ある。成功した話が語り継がれ、失敗した話は忘れ去られているのかも知れない。我々はそれを調べた」と北西大学のカローラ・サルビ氏は言う。

直観力のテスト
実験では一連のパズルを被験者に解いてもらった。パズルの内訳は、言葉のパズルが一つ、画像のパズルが一つ、言葉と画像の両方のパズルが二つである。
言葉のパズルでは被験者に、例えば3つの言葉(Crab, Pine, Sauce)を見せて、この3つに共通する言葉を探してもらう。この場合Appleが解答になる。
 注:Crab→Crab apple 酸っぱいリンゴ、
    Pine→Pineapple パイナップル
    Sauce→Apple sauce たわごと。
画像のパズルでは、被験者に画像を瞬間に見せて、何を意味するか答えてもらう。各々のテストには50から180のパズルが仕組まれていて、答えを出すのに15秒から16秒の時間が与えられる。

被験者は、解答が分かり次第ボタンを押し、それが直観から出たか、分析から出たかも述べる。結果は、直観で答えた方が明らかに正答が多かった。言葉のパズルでは直観が94%の正解率に対して、分析が78%であったが、画像では直観が78%の正解率であるのに対して、分析は42%であった。

解答を得たタイミングでは、時間切れ直前5秒以内の解答の正解率が下がる傾向にあり、言葉のパズルでは34%が間違いで、画像のパズルでは72%が間違っていた。時間的に余裕を持って答えた解答の間違いは10%に減る。時間切れ直前の間違い解答のほとんどは、分析的思考によるもので、閃きの倍以上になった。

「時間が迫ると名状しがたい不安が発生して、その不安が思考を分析的にさせる。締め切り時間を設定すれば、仕事の能率には良いが、創造性が求められる場合は良くない」とクーニオスは言う。「閃きは意識の外側で作られるから、意識で追うことも出来ないし、修復を加えることも出来ない」とサルビは言う。

分析的思考は解答を出す道筋が既に決まっている時、例えば算術のような場合は良いが、その解き方が分からない場合、閃きが役に立つとクーニオスは言う。
「個人的、社会的を問わず、真に何か頭に閃いたなら、それを大事にすべきです。必ずしも100%良いとは言わないが、理詰めで得た結論より質の良い場合が多い」と氏は続ける。



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