何故ある人は何時も機嫌が悪いのか、気分が優れないのか最新の科学が解き明かし始めている。最新の研究では何時も気難しい人は脳のある部分が過剰に活動しているのを発見している。この発見が鬱病の解決に導くか興味のある所である。段々明らかにされる脳の機能と気分の関係から病としての鬱の治療方発見も可能性が見えてきた。

健康な人を集めてスキャンした所、最近気分が優れなかった人の脳では腹側正中前頭前野皮質と言われる部分に過剰の活動が見られた。この部分は右利きの人では右目の2−5cm奥にある脳の部分で感情と関連しているのが今までの研究でわかっている。ナッシュビル、バンダービルド大学の心理学者であるデイビッドゾールド氏はその部分が悪い気分を作り出しているのか、あるいは悪い気分がその部分を活性化してるのかはっきりしないと述べている。しかし「関連があってもおかしくない。何故なら動物実験からこの部分が心拍、呼吸、胃の酸度、汗等の自律機能をコントロールしている事が分かっているからです。そしてこの自律機能が気分と関連しているのです」と彼は言う。

研究では89人の被験者を使って二度テストをした。脳の活動を測定する為にPETスキャンと呼ばれる脳の画像撮影技術を使用した。被験者は静かに座りながらPETスキャンを受けた。出来るだけ具体的に気分が測定出来るように設定された質問項目を実験を受けながら被験者は回答する。被験者は今現在の気分を述べ過去1ヶ月の状況も言う。

優れない気分、不安、怒りを感じた被験者は腹側正中前頭前野皮質の血液量が多かった。鬱病、神経症患者の脳の機能も明らかに違う事が今までの研究から分かっている。。
しかしゾールド氏によるとこの違いは健康な人の脳でも見られると言う事です。「脳の機能と気分の関係が更に明らかになるとより効果的な鬱病、神経症の治療法への道が開けるでしょう」と氏は言う。

北アイルランド、リズバーンにあるトンプソンハウス病院神経心理学のフレデリック・ウィルソン博士がBBCに言う所では前頭葉に障害がある患者では気分障害も認められる事が長い事実から分かっているらしい。「もし同じ結果が激しい鬱病に苦しむ患者にも認められるなら、大変面白い。しかしそのような健康な人の結果は必ずしも患者に摘要できない」と博士は言う。



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 何故人は不機嫌なのか 
       2002年2月12日