躁鬱病遺伝子の発見 2003年6月15日(日) |
その遺伝子はGRK3と呼ばれる遺伝子で、我々の脳のドーパミン(感情をコントロールする神経伝達物質)に対する感受性をコントロールしている。
遺伝子の変異は遺伝子をオン、オフするスイッチ部分で発生しているとカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは言う。 即ちこの遺伝子は不必要な時にスイッチがオンになり、必要な時にオフになっているのである。 この変異遺伝子をもっている人はドーパミンに過剰に反応して、激しい感情の起伏を経験するであろう。 躁鬱病は極端な躁状態(気分が高揚した状態)と激しい鬱状態を繰り返す心の病気である。 治療薬は存在するが、約半数の患者には効果が無い。 研究を率いたジョーン・ケルソー氏は「今回の欠陥遺伝子の発見が、遺伝子に直接働きかける薬の開発につながるのでは」と話している。 広範な調査 イギリス躁鬱病協会のアマンダ・ハリス氏は、BBCニュースオンラインに躁鬱病の診断と治療技術が早急に確立される事を望むと言っている。彼女は、診断技術の確立だけでも未だ10年はかかるのではと言う。 「躁鬱病を起こすのは幾つかの要因があるでしょう。現在の治療は、未だ行き当たりばったりの域を出ません」と彼女は話す。 この研究発表は分子精神医学誌に掲載されたものである。 |