2001年人間ゲノム会議・・エディンバラ


2001年4月23日

 昨日ある科学者からの報告によると、恐怖症に悩む人達は遺伝性の原因で発病している可能性があり、将来は薬で治療できるであろうとの報告です。ザビエル・エストビル博士によると、クモ恐怖症、高所恐怖症は必ずしも心理で説明される症状では無く、ある一定の遺伝子が恐怖症、不安症、パニック障害を引き起こしいる可能性が高い。

エディンバラで開かれた人間ゲノムの会議で、エストビル博士は全人口の20%が何らかの恐怖症、具体的には心臓の動悸、激しい吐き気を経験していると述べている。バルセロナの医学分子遺伝学センターのエストビル博士は、7%以上の人から見つかった遺伝子の連鎖は、この不合理な恐怖に関係があり、将来的に薬の開発につながると述べている。博士が調査した70の原因のはっきりしないパニック障害の症例では、その遺伝子が二重結合していたり、結合が不充分であったりした。

「この結果から、遺伝子ゲノムのある一定の部分がパニック障害を引き起こす性向があると分かってきた。恐怖症を持つ家系に、この遺伝子の発現頻度が高い所を見ると、家族遺伝性を指摘できる。と同時に、家族に精神疾患が見当たらない人達もパニック障害を発病している。その率は97%におよび、それから推論するに、遺伝子変異は母親の子宮内にいる胎児(八ヶ月未満)の成長過程で自然発生的に起きている可能性もある」と博士は述べている。


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