多人格症/人格不一致症


1998年6月24日


ボッブマクミラン: 皆さん今晩は司会のボッブマクミランです。今晩はこのウェッブサイトに参加頂きありがとうございました。今晩のテーマは人格不一致症/多人格症です。私のサイトに立ち寄って頂いている方に最近はこの症状の質問が多くその為に今晩は特別のゲストとしてジーンダービークラインさんをお呼びしました。彼女は「Silencing the Voices」の著者であります。これから彼女の多人格症とそれからの回復を聞こうと思います。もちろん皆様の質問も受けつけます。
ジーンさん今晩は。我々のサイトに良くお越し下さいました。まだ始めてこの症状を聞く人達の無めに先ず多重人格症に付いて説明して頂きませんか。

ジーンクライン:今晩は。ボッブマクミランさん、今晩はご招待ありがとうございました。多人格症は最近名前を変えまして人格不一致症と呼ばれています。そして私はこの新しい呼び方の方が好きです。我々皆多くの仮面、あるいは人格を持っていますがそれで問題をおこしていないのです。しかし人格不一致症ではこれらの仮面をコントロール出来ないのです。例えば貴方が今恋人ともめていたとします。そこへ貴方の弟が入って来てバンドエイドを欲しいと言ったとします。そこで貴方は仮面をスイッチして貴方の弟の為に姉として面倒を見ようとします。その後直ぐまたもとの怒った貴方に戻って恋人と言い合います。人格不一致症ではこの仮面の変換が何時起こったか分かる時もあるし分からない時もあるのです。

ボッブマクミラン: 貴方の多人格症あるいは人格不一致症はどのように起こって来たのですか。

ジーンクライン: 人格不一致症は大体小さな子供が大きな精神的傷害を受けてそれを感情で上手く処理出来ない時に起こります。子供なりに生きて行く為に彼等は別の人格を作り上げます。でも私は人格とは感情、夢、希望、技量などが統合されたものと思いますが。私は3つの人格を作りました。各々は何時どのように出来たかによって私の人生の異なった面を受け持ちます。詳しく申し上げましょうか。

ボッブマクミラン: 多くの人には多人格症に付いて映画によってのみ知っていると思いますので、ここでジーンさんを紹介します。彼女は52歳で最近フォーチュン誌のトップ50社に働く社員、12万5千人の中から今年のベスト社員に選ばれました。彼女はテレビや映画で扱われるような多重人格変人ではありません。ジーンも話していたのですが人格不一致症は大抵家族と共に生きる普通の人達なのです。働き子供を育て教会に行く人達です。ジーン、どうして人格不一致症になったかもう少し詳しく伝えてくれませんか。

ジーンクライン: 私が3歳の時母親は新しい赤ちゃんを産みました。母親の注意とエネルギーは赤ちゃんの方へ行ってしまい、私と弟は殆ど取り残された感じでした。その代わりお父さんが面倒を見てくれるようになったのですが、それは悪いものでした。ですから我々はお父さんを避けようとしたのです。しかしお父さんは幼い私をベッドに引き入れて悪い遊びをしました。直感的に悪い事をしていると思いましたがお母さんに言えませんでした。誰にも言うべきで無いと思いました。
3歳でのこの経験で私はもう一人の人格ジョディーにならなければなりませんでした。そしてジーンとお父さんは悪い事をしていると言いました。5歳の頃には私はお父さんのお気に入りになりあちこちに連れて行かれました。でも相変わらず父は地下室に連れて行き私に酷い事をしました。ジーンの人格の時は私は父と普通の親子の関係ですので父は変な事が出来ません。ジョディーの時は誰にもこんな事をさせませんでした。だから私はJD(地下室の傷ついた子供)にならなければならなかったのです。この様にして人格不一致症になりました。

ボッブマクミラン: 治るまでどの位時間がかかりましたか。

ジーンクライン: 鬱状態で精神科の先生に見て貰う頃は既に20歳代でした。私は精神衛生システムに12年いましてそれからライター先生に会いました。先生が最初に私の症状を見抜きました。それから完全に治るまでに10年かかりました。

ボッブマクミラン: 大人として3人の人格と生きるとはどんな感じですか。

ジーンクライン: ここで例を申し上げましょう。私は一度ジーンとしてエレベーターに45分間乗りました。完全に良くなるまで何が起こったか分からなかったのです。ジーンとしてエレベーターに乗り時計を見て15分で自分のオフィスの机に到着出来ると考えました。14階で降りて時計を見ると30分遅刻です。こう言う事が起きるのです。その間に何が起こったか記憶を喪失していて分からないのです。その時友達がやって来て私を抱きますが一体その人が誰か見当も付きません。しかしジョディーとしてはその間に何が起きたか分かっています。私はジーンとして1階でエレベーターに乗り込みます。7階で友達が乗り込みます。しかしその人はジーンの友達で無くジョディーの友達です。ですから私はそこからジョディーになり代わって10階で降りて友達とコーヒーを飲みまた戻ります。14階で降りる時はまたもとのジーンに戻ってオフィスに向かいます。ジョディーとしては人格変換をコントロール出来ます。何故ならジーンを知っているからですが、ジーンの時は私に誰かもう一人の人格がいるなんて皆目見当が付きません。

ボッブマクミラン: 人格変換何て出来るものですか。どうやってするのですか。ただ考えれば良いのですか。

ジーンクライン: JDの時はその人格が出て来るのは恐ろしいのです。でもちょっとした事で人格変換が起こるのです。ジョディーの時は意識を集中していれば大体変換が出来ます。しかしジーンの時は意識を集中してジョディーとかJDが現れるまで待たなければいけません。

参加者1: 私は多人格症とどう付き合って行くか悩んでいます。恐ろしいのです。この恐ろしさにどう対処したら良いのでしょうか。

ジーンクライン: 私の身に起こった事を11−12年もの長い間否定していました。人生でもっとも苦しい時でしたがどうしても性的虐待をされた事実を受け入れる事が出来ませんでした。でも肉体的なダメージを拭えません。私は多人格症とは何とか生きぬく為の神から与えられた知恵でやむを得ないと思いました。でも私を育ててくれた人が地下室の非道人であるとは到底受け入れる事が出来ませんでした。ここで言えるのは貴方の力強さを信じる事だけです。

参加者2: 貴方が人に多人格症を告げた時みんなどう対応しましたか。

ジーンクライン: それは人によります。私の妹は最初まごついていましたが、理解するに連れて私をしっかり助けてくれるようになりました。兄弟は少しはっきりしません。2人は支援してくれますが、1人はぐらついています。でも私の兄弟姉妹全員が私の本を読んでくれて私が言っている事を理解しています。母は否定していますし、もちろん父も強く否定しています。私の神父と友達は皆私を助けてくれます。

参加者3: 最近は多人格症を聞く様になりましたがそれでも人は貴方が狂っていると思うのでは無いですか。

参加者4: 私は多人格症の妻の夫です。先週妻を亡くしました。貴方の本は本当に奮い立たせるものがあり彼女の良き助けになりました。貴方と同じ様に人生で成功していまして、しかし世の中には多人格症を理解しない人が多く特に医者がそうだと本当に困ります。

ジーンクライン: 多くの患者にとって大変です。誤診されます。薬を飲むだけでは意味がありません。回答を求めて何年も無駄にします。私は多人格症を生きて治しました。多人格症を治すのは全く不可能では無いと言いつづけました。

ボッブマクミラン: 貴方の回復に付いて話しましょう。何歳の時から回復し始めたのですか。回復に伴いどうしなければなりませんでしたか。

ジーンクライン: 32歳の時からシアトルのジャックライター博士の治療を受けました。先生が私の多人格症を最初に見抜いてくれた人です。先生の部屋にはジョディーの人格で入りました。先生はたったの3分で私を多人格症と診断しました。何年も精神療法(夢分析、絵画療法)を先生から受けました。私が頑なに拒否している時は妹や神父を連れて来て助けて貰い、先生と一緒に何が実際に起こったのか確認しようとしました。ジーンとジョディーの2つの人格を統合するのには何年もの時間がかかりました。そして最後にもっとも難しい虐待された人格JDと対峙しなければなりませんでした。私は発見と怒りと悲嘆の繰り返しをしました。早く終わって貰いたくて先生に早く終わらせてと叫んだ事もあります。でも最後に私は何が起こって自分が何であったかを受け入れました。そして全てが終わりまして人格JDとの一致が成功して今は完全に幸せです。

ボッブマクミラン: 多人格を統合とはどういう事なのですか。どうやってするのですか。

ジーンクライン: 人格統合は人格間の相違とか受け入れ拒否が解決すると殆ど自動的に始まります。人格統合している最中で何か失うものはありません。全てがもとに戻ります。人格の1つが消え去る事はありません。それぞれの人格は統合された私の1部です。今私は3つの人格の記憶と技術と希望と夢と熱望を統合して持っています。

参加者5:
 何故貴方の人格は貴方自身を嫌ったり呪ったりするのですか。

ジーンクライン: 各人格はお互いに嫌っています。ジョディーとしての自分はジーンがしている事が気に入らなくてしょうが無いです。例えば精神的に虐待した最初の夫と結婚した事やその家から逃げた事などです。でも離婚してそれで人格が統合したのです。

参加者6: 昨日の晩のNBSデートラインを見ていた方が多いと思いますが、精神医療施設で患者が適切な治療を受けているとどうやって我々は確認出来ますか。確認が出来るとすればそれはどうやって得られますか。

ジーンクライン: 私の経験でも何人かの悪い医者に医療施設で会っています。彼等は間違い診断をするばかりで無く、電気ショックのような重大なダメージを引き起こす治療をしようとしたのです。幸い私には戦う力が残っていたので反対して受けませんでした。
医療システムで良い治療が期待出来るか分からないのでもし貴方が最初の医者が心配なら次の医者に会って違う意見を聞くべきです。

参加者6: 良い療法士を探す方法はありますか。

ジーンクライン: アメリカでは色々の本とかインターネットで容易に探せます。誰か治った人の口伝えも大切です。

ボッブマクミラン: 貴方のお話を聞いていまして多人格症の人に接するのは一般の人には大変だと思いますが、貴方自身もそう感じますか。貴方の周りでは貴方に対してどう対処していますか。

ジーンクライン: 私はもっとも優しく理解のある夫に巡りあいました。彼が私の本の最後のページに夫として多人格症の妻にどう対処すべきか質問に答える形で書いています。大抵の人には多人格症と付き合うのが大変難しいです。愛と忍耐が必要です。夫は今言っていますが、私を狂った人間としてでは無く、苦しんでいるすばらしい人間として思っているらしいです。夫は多人格症の私にとても忍耐強く対処しているのである医者によれば名誉心理学博士号を送られるべきと言っています。

参加者7: どうやってその沢山の人格を分けるのですか。大体他の人格がある事自体知覚するのが難しく無いですか。

ジーンクライン: 我々は非常に苦しい体験をするとその短い時間だけ記憶喪失に襲われます。例えば最悪の交通事故を取り上げれば貴方は衝撃の直前までは覚えています。もし気を失っていなければその後も救急隊が貴方を助け出し病院に連れて行く状況を覚えています。しかし衝撃の瞬間は多分思い出せないでしょう。思い出すにはあまりに激しい痛みが襲うのです。ですから我々はその瞬間を心理的に覆い隠してしまうのです。しかし忘れたので無く例えば催眠にかけられるとその時の詳細が蘇ります。匂いとか音とか光景とかそういうものです。多人格症もその様な苦しみでそれが良く起こるので記憶喪失の時に私は他の人格になるのです。

参加者7: 貴方は人格統合が主婦の貴方にとって治療の最終目的であるとお考えですか。

ジーンクライン: 私が完全に良くなった時に人格統合が唯一最終のゴールと思いました。でも専門の医師と話してから少し変わりました。殆どの患者が人格統合出来ると思いますが、ある人には安定状態に持って行く程度で良いかと思います。ある医師はその患者が今は安定しているが患者を人格統合に必要な過去と向きあわせるには至っていないと言っています。
1つ言える事はもし自分の全てを認めて人格統合が出来ないと更に後で自分を苛めて苦しむ事になります。苦しみに耐えて人格統合しても失うものは無く全てを獲得出来て自由になります。貴方に内在する力を信じなさい。出来ます。

ボッブマクミラン: 再発の心配はありませんか。他の人格が再度現れて来るような。

ジーンクライン: 最初に人格統合した時に苦しい場面に向きあう、例えば別れた夫に会った時、今にももう一度自分が分裂してしまうのではとも思いましたが、時間が経つにつれ自分は十分強くそういう事が起こらないと確信しました。危なっかしさを経験し結果として人格統合が起きそれが永続するのです。今の私には記憶障害とか再発はないし、それらは苦しんでいる時は起こっていましたが、しかし最早統合しなければならないものは残されていません。子供は事態の対処が分からないのでこれらの他の人格を作って守ろうとします。ですから私には他の人格が再度現れるとは思いません。

参加者:8 最初に診断されてからどの位療法を受けましたか。人格統合までどの位時間がかかりましたか。

ジーンクライン: 多人格症と最初に診断されてから完全に人格統合するまでに10年かかりました。でもがっかりする事はありません。その半分で治った人に多くお目にかかっています。

参加者9: どんな技法の療法が役立ちましたか。

ジーンクライン: 殆どは精神科医との会話療法ですが後半には心理学者とも会話療法をしました。と同時に日誌を書き、夢を表現し人格JDは絵画療法もしました。私は催眠療法がとても恐ろしかったですが、他の患者には有効に見えました。

ボッブマクミラン: 薬はどうでしょうか

ジーンクライン: 私のような多人格症に薬は効きません。もし躁鬱病を持っている時は別ですが。唯一飲んだのは抗鬱剤です。それもうんと気分が勝れない短期間だけです。長期には薬を取った事がありません。

参加者9: 苦しい事態に直面した時に多人格に頼らないで何か別の方法を探した事がありませんか。

ジーンクライン: それは当然あります。でも大変でした。もし貴方が別の方法を習ってしまうと直ぐそれに頼るようになります。それに頼らない様にするには練習が必要です。私は自分自身であるいは夫の助けを借りて恐怖に慣れなければなりませんでした。私が虐待を受けた子供の頃の洗濯室の匂いでさえ重大な苦しみの引き金になるものです。

参加者10: 私は多人格症の人で普通に生活して人格間で意識している状態の人を知っていますが、貴方は経験と治療を通して人格統合が唯一最良の結果と思いますか。私は何時も一人と言うより多くの人格と一緒にいます。

ジーンクライン: 多くの人格といると言う意味が分かります。でも各々の人格は全体の1部を担っていましてある時に1部を見ているだけです。人格統合が完成しますとこれらの部分に別れた感情や思考を全部見渡せてお互いに理解出来ます。私も一時期この人格間がばらばらの時がありましたが、統合した1人の人間は本当に良いものです。多くの人が私と同じ経験をして私の意見に同意してくれます。

参加者11: 貴方は父や母と対決した事がありますか、あるいはそうする事が治すのに役立ちましたか。

ジーンクライン: 私は直接母と話した事がありますが自分でしたので無く妹が引き入れたのです。母は父と言い争った後に直ぐ全てを否定しました。私は父とは対決した事がありません。何故なら彼は自分のした事を直ぐに全面的に否定するからです。父が私の前で公然と否定するのが許せませんでした。本人との対決が必ずしも必要とは思いませんがある人にはそれが助けになり、ある時は直接面と向かって否定されるのでそれが暫く病状を後退させるかも知れません。

参加者12: 麻薬を必要とする人格や自己虐待をする人格はお持ちで無いですか。もしあったらどうやってこの麻薬中毒の人格に新しい生き方を教えますか。

ジーンクライン: 私は生来薬には神経質ですから私の人格はいずれも麻薬とは関係ありません。幸いにも自分を切ったり火傷させたりと言う自己虐待も持ち合わせていません。私は自己虐待をする人達は折檻を必要と思っているかあるいは苦痛の後に救いがあると信じていると思います。私も気持ちが凄く落ち込んだ時は眠りを拒んだり食べ過ぎて太り過ぎたりしましたが、これら全てを先生に申し上げました。

参加者13: たった3人の人格ですか。私にはもっと沢山います。

参加者14: 私はクリスマスの時に旅に出たと人に言われたのですが、全く覚えていず分かったのは1月3日でした。多人格症と言うのは本当に気持ちが悪いです。

参加者15: 私は誰も正解を人に与えられないと思います。出来るのは自分にだけですね。

参加者16: 我々皆似ていますね。私の医者は私を多人格症とは診断しなかったですが、人格を統合する必要があると言ってました。ジーンクラインさんは私の先生と同じ事を言ってます。

参加者17: ジーンさんは過去の記憶が蘇った時に難しさを感じませんか。

ジーンクライン: 人格統合での難しさは過去を思い出した時の苦しみ、怒りをどう処理するかです。でもあらゆる苦しみと同様に時間が苦しみを和らげるし同時に受け入れ易くします。3人も人格を持っていると各々の人格を1つの人格と認めるのが難しく人格のかけらを持つと表現する先生もいます。即ちその人格のかけらはある1つの感情あるいは特定の場所と関連するものです。
私はあえて私の3人の人格を人格と呼ばせて頂きます。何故ならこの3人は今ここに存在するし各々は単なる場所に関連したものとか特別の経験を受け持つもので無いからです。
私も1つの場所に関連する人格のかけらを持っていましてそれに付いては本に書きませんでした。何故ならそれは私の回復過程に重要で無かったからです。人は小さい時に苦しみを受けると沢山の人格を発展させ得ると思います。それはその人が幾つの時に虐待されたか、何人の人に虐待されたか、あるいはどのような種類の虐待をどのくらい受けたかによるでしょう。

参加者18: 貴方の多人格症は仕事で差し支えがありませんか。会社は貴方の事を知っていますか。彼等の態度はどうですか。

ジーンクライン: 多人格症で仕事をするのはとても大変ですよ。会社は私がそれを言うまで知りませんでした。私の本の中でも書いたのですがコンピューターの事をまるっきり知らないジョディーがコンピューターシステムエンジニアのジーンを紹介しなければいけなかったのですから。大体人が私に多人格を見る時私の具合が悪いかあるいは凄く調子が良いかどちらかに感じる様です。

ボッブマクミラン: 皆さんは既にご存知と思いますがジーンはフォーチュン誌のトップ50社に勤める従業員の中でその年のトップ賞を得た方です。彼女の仕事はコンピュータプロジェクトマネージャーです。ボーイング社には12万5千人の従業員がいましてジーンはライターで活躍されています。新聞に寄稿し東南アジアからの人達に英語を上達させる為に連邦政府の助成金を得る努力をしています。その他にコンピューターの初心者の為にガイドブックとそのコンピュータープログラムを書いています。

参加者19: どうして貴方の多人格症の経験を本に現す気持ちになったのですか。

参加者20: どうして貴方は多人格症を人に知って貰おうと思ったのですか。 私は63人もの人格があってそれらは皆関連があります。

ジーンクライン: ライター先生が本を書くように薦めました。と言うのも多人格症を患っている人の大半は私と同じ様に正規の仕事を持ており子供を育て教会に通い地域活動もしていますが、子供の頃に受けた傷に苦しんでいるのです。私は発言しなければいけないと決心しました。我々は希望が必要だし社会から取り残されてはいないし、回復は可能でそうすべきなのです。私はこうする事によって何らかのお役に立つと信じています。

参加者21: 貴方が回復した時、あるいは人格統合された時に欠落していた時間、あるいは記憶がもとに戻りましたか。

ジーンクライン: 人格統合で回復すると言うのは他の人格が支配していた為に生じた記憶喪失を取り戻す事を意味します。

参加者22: 回復の過程で貴方には良き助言者がいましたか。例えば多人格症で自分でも悩んで貴方が苦しんでいる時にその良き助けになる人です。

ジーンクライン: 完全に回復するまでは誰も多人格症の人を知りませんでした。私が読んだ本は大抵がっかりするもので登場する多人格症の人は皆生活が出来ない人で私の人生とは合致しませんでした。でも今は沢山の手段があり例えばこのインターネットサイトがそうです。

参加者23: どんな基礎手法をお取りになりましたか。

ジーンクライン: 信仰です。回復の過程で神父の助言を得ました。それと友人とか家族です。回復の過程では支持する人達がいるのが重要で、ある人が駄目なら他の人に助けて貰うと言う風にです。私にとってはお祈りが日課でした。そしてもちろん夫であるドンに会い結婚してもっとも近くに支援と基礎を得たのです。

ボッブマクミラン: 昨晩のデートラインと言うテレビ番組で多人格症の患者が精神科の先生を強姦して彼女を監禁しています。その中でこの犯人は自分がこの行為をしているので無く他の人格がしていると主張しています。

参加者24: ジーンクラインさん。貴方は今までに昨夜のテレビ番組のように他の人格が強姦をするような凶暴性の人格を知っていますか。私の経験では多人格症は自分を苛めたりあるいは自己防衛以外のなにものでもありません。

ジーンクライン: その番組を見ていないので申し訳ないのですが説明出来ませんが、それでもその問題に私の意見を述べる事が出来ます。問題はその人の基本人格が暴力的かどうかと言う事です。もしある人の他の人格が何かをした場合、それはその人の全人格が責任を取るべきです。人がそんな暴力が出来なければもう1つの人格もそれが出来ません。原則的に、もし人が覚醒している時にある行動が出来無い場合、催眠状態でもそれは出来ません。余り広く受け入れられていないかも知れませんが私はそう信じます。

参加者25: でも番組で彼はコカインを飲んでいたようです。その精神科医は麻薬が彼をおかしくしたのだろうと言っています。

ジーンクライン: 麻薬は誰の心にも大きく影響し、普段だったら考えられない事をさせます。それは多人格症がどうのと言う事では無く例えばアルコールを見て下さい。

参加者26: 私は多人格症が治った人間として申し上げますが、その件はコカインを逃げ口上にしています。

参加者27: 麻薬はその強姦と関係が無いと思いますよ。おそらくその人間に獣性が既にあったのです。麻薬を飲むと人間が駄目になりますが強姦は話しが違います。

参加者28: もし患者のその本質が暴力的で無ければもう他の人格を恐れる必要が無いですか。

ジーンクライン: 多人格とはその人全体を守る為に作り上げられたものです。ですから他の人格を恐れる必要はありませんが、もし貴方の他の人格が己を破壊しようとしたり、傷つけようとする時はそうしない様に学習する必要があります。人格に付いてははっきりと割り切れるもので無いでしょう。

参加者28: 性的虐待以外で多人格症が起こると思いますか。

ジーンクライン:
 起こります。例えば戦争とか収容所とか親が死ぬのを見たとかするとPTSDになったり多人格症を発病します。

参加者29: 私は今自分の感情が精神科の先生に向かっています。貴方の場合これを経験しましたか、もしそうだとするとどうやって解決しましたか。

ジーンクライン: 私はセラピストの所に通う患者の大半はこの感情転移を経験すると思います。セラピスト無しには生きられないと思うからです。時々強い恋愛感情を示す事もあります。我々は依存性や必要性をセラピストに転移するのです。その時セラピストはその感情が何であるかを患者に説明しなければいけません。

ボッブマクミラン: 皆さんはご存知だと思いますがジーンのインターネットサイトはhttp://www.halcyon.com/clifford/silenceです。

参加者30: 他の人格が現れた時にそれをコントロールする方法がありますか。

ジーンクライン: コントロールの仕方は各自が学ばなければいけません。ある条件下で人格変換が前触れも無く起きるでしょう。どういう条件で起きるかを調べるのは貴方にかかっています。過去に戻ってその経験を思い出しましょう。私を苦しめたのは洗濯室だっただろうか、毛屑だろうか、絞り機だろうか。人格JDが現れる時はこれらのものだっただろうか。答えはすべてイエス、イエス、イエスです。私はこの忌まわしい毛屑と何度も向きあってからようやく乾燥機を買って洗濯部屋で自分の洗濯が出来るようになりました。

ボッブマクミラン: 今日はどうもありがとうございました。時間が過ぎて来ましたのでこの辺で終わりたいと思います。ジーンが書いた本は"Silencing the Voices"と言うタイトルです。このインターネットサイトで注文出来ますし、本屋でも購入も出来ます。彼女は今本屋さんを回っていますから、貴方の近所に来るかも知れませんので気を付けていて下さい。ジーンさんは今日私とこうして部屋にいますが、貴方には今日100人以上もの人がこの催しに参加してくれて貴方の経験が大きな影響を皆さんに及ぼすのを見て貰いたいのです。

参加者31: ジーン、今日は我々を啓発してくれてありがとう。多人格症だなんて大変難しいものですが貴方はやったと言う感じですね。

参加者32: 今日は我々と共に過ごしてくれてありがとう。今後の幸運と更なる努力を期待します。

参加者33: ジーン、貴方の本を読んで貴方の努力を賞賛します。貴方の本は本当に我々を勇気づけるもので、多人格症の人が回復して良い生活をしているのは我々の助けになります。貴方には多くの賞賛が寄せられるでしょう。

参加者34: この集まりは良かったですよ。ボッブもっと開催したら良いと思います。

ボッブマクミラン: もう一度必ずやります。約束しましょう。

ジーンクライン: どうも皆さん今日は洞察力のあるコメントや質問をありがとうございました。ボッブ、私をこのインターネット会議にお呼び下さいましてありがとうございました。



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