ファイザー社神経症新薬発表 2002年5月21日 |
ファイザー社は開発中の新薬であるプレガバリンは神経症治療に有効であり、現在広く使われているザナックスあるいはエフェクサーと同程度の効力があり効果が現れる速さはそれ以上と発表した。 短期間の2回に渡る実験で新薬とザナックス、エフェクサーを中程度から重度の全般不安症患者に投与して比較した。全般不安症は人口の約5%が人生の一時期に経験すると言われていて、症状は慢性的心配、不安、不眠、集中力欠如等である。 ザナックスはアルプラゾラムと呼ばれる化学物質と同じ化学構造を有しベンゾジアゼピングループの抗不安剤で、広く使われている。ただしこのグループの薬品は依存性を起こしやすい。またエフェクサーは2種類の神経伝達物質の量をコントロールする抗鬱剤です。抗鬱剤には他にもSSRIと言われるグループが広く使われている。 「プレガバリンは他の抗鬱剤に比べて効果が現れるのは早い。体依存性、鎮静作用、認識低下等の副作用がベンゾジアゼピングループより少ないようです」とこの実験に加わったハーバード大学助教授のマーク・ポラック氏は言う。この発表はフィラデルフィアで行われたアメリカ精神学会年次会議で火曜日に発表された。 ファイザー社によると今年の終わりまでには政府の承認を得て市場に出す予定である。プレガバリンの有効症状は神経症、癲癇、神経障害(神経損傷による接触時の痛み、過敏症)である 研究者によるとザナックスやプレガバリンの副作用としては足のふらつき、眠気であり、エフェクサーのそれはむかつきであると言う。 4週間の実験で455人の神経症患者をそれぞれ分けて、プレガバリンを少量、普通、多量の区分で毎日服用するグループと、ザナックスを毎日服用するグループと偽薬グループに分けてテストをした。 プレガバリンとザナックスを投与された患者は統計的にはっきりと症状改善の効果が見られた。 少量、普通、多量の3区分ともプレガバリンは偽薬よりもはっきりと効果が見られそれも1週間以内で効果を示した。プレガバリンはザナックスに比べても効果の出が早く、持続的効果も示した。 6週間の実験でもプレガバリンとエフェクサーのグループは偽薬グループに比べて明かな神経症症状の軽減効果が確認された。 脳科学ニュース・インデックスへ |