妙な食事の組み合わせ

2013年1月3日

バーミンガムのアラバマ大学研究チームの報告によると、マッシュポテト(ジャガイモのすり潰し)とチョコレートビスケット、冷凍野菜とマヨネーズ、ポテトチップとレモン、ポークリンド(豚の皮のフライ)にイタリアン・ドレッシングと塩のような奇妙な組み合わせの食事をする人が、過食症患者中4人に1人の割合でいるのが分かった。この報告は”International Journal of Eating Disorders”誌に掲載される予定。

この事実は専門の医師から以前から指摘されてはいたが、組織だって調査されたことはなかった。アメリカに700万人はいると言われる過食症患者の実態を理解する一助になるであろう。奇妙な食事癖は、沢山食べる人の中でも特に過食症の人に多かった。彼等は過食の最中、薬物依存症のような感情の高まりを経験するが、自己嫌悪に陥り、それがまた次の過食行動につながっていた。

「妙な食事をしながら彼等は興奮してハイになっているのですが、すぐ自己嫌悪に落ち入る。我々が調べたのは病院にまで行かない人たちの数ですから、もし病院、クリニック等でも調査したら数字はもっと多いはず」とアラバマ大学心理学助教授のメリー・ボギアーノは言う。

ボギアーノの調査結果はいわゆる”飢餓仮説”を証明している。”飢餓仮説”とは、変な食事の組み合わせをする原因は、栄養欠乏と関係しているのではないかと言う説である。今まで飢饉を経験した人、捕虜、戦争難民等からの証言から浮かび上がっていた。調査対象の人たちに聞いても、異常な食事をする理由として、41.2%が渇望と答えており、空腹と答えたのはわずかに9%であった事実が証明している。

ほとんどの過食行動は、普通の食事の後、満腹している時に起きるから、自己コントロールの喪失と言える。彼女のこれまでの研究からも、ダイエット習慣がある人に、空腹であるなしに関わらず好きな料理が出てくると過食に走るのが分かっている。

一般に患者はこの異常な癖を恥じて決して人に話さない。「自分は摂食障害ではないかと考えて隠そうとする。それが逆に異常行動にのめりこんでいく原因なのですね」と彼女は言う。

この研究は、アラバマ大学とエルパソのテキサス大学で基礎心理学を受講している学生507人と、オハイオ州コネチカットで摂食障害の治療を希望する患者45人を対象に行われた。この人たちの内、45.5%が非ラテン系、40%がラテン系、10%が黒人の男女であった。人種や性の違いによる摂食障害の差はなかった。



脳科学ニュース・インデックスへ