優秀な無意識

2015年2月18日
誰でも自分の心は分かっていると主張する。歩く時、話す時、昼飯を考える時、彼女の不可解な言動を考える時、全て自分が考えていると感じるが、最近の心理学は、我々の意識の下にもう一つの意識、即ち無意識の存在を見る。

もしフランスの首都は何処かと自問すれば、パリと直ぐ解答が出る。これは意識から出て来るが、自転車を乗ると言う動作を取ると、自転車で何処に行くと言う部分は意識でも、自転車が倒れないようにハンドル操作をする部分は意識と言うより、無意識が命令しているようである。

現代の心理学は、無意識は一体何を処理しているのか、あるいは我々の思考のどの当たりから無意識で、どの当たりから意識になるのか調べている。簡単に言えば、無意識は利口か馬鹿かである。

一般には、無意識は外界からの刺激に単純に反応し、お決まりな動作を指令していると考えられている。これに対して意識は、より高等な部分、即ち計画、理論、可能性の探求等だろう。

最近発表されたイスラエルからの研究によると、どうもそうではないらしい。ラン・ハッシン等が率いる研究チームは、継続的瞬間抑制と呼ばれる画像を使ったテストで、人の無意識を調べた。

我々は常に2つの目から別々の情報を得て、情報は脳に送られてそこで1つの画像に組み立てる。実験では被験者に特殊な眼鏡をかけてもらい、各々の目に違った画像を見せた。片方の目には、けばけばしい色の正方形の画像が連続に入り、もう一方の目は解答の画像を瞬間的に見る。しかし、片方の目に入った連続画像が注意をそらすから、被験者はもう一方の目に入った解答画像が認識し辛い。邪魔な画像を見る片方の目を閉じれば、解答図形は直ぐ判断できるが、実際には妨害のため、認識するまで数秒かかる。

ハッシンの実験では算数の問題、例えば9-3-4=を無意識的に解いてもらった。直ぐその後に解答と思われる数字が現れて、それを被験者は大きな声で早く読む。現れる数字は2とも1とも出るのだが、驚いたことに正しい数字が現れると素早く読むのに対して、間違った数字では遅れた。

この結果から、算数計算と言う意識に頼る部分が、実は無意識で処理されているのが分かった。
「我々の無意識は、考えている以上に洗練された能力を持つばかりか、あらゆる場面で心の基本を支えている」とハッシンは言う。しかし無意識の研究は未だ始まったばかりである。



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