ドモリの原因

2024年5月28日

ドモリとは会話の最中に発声が遅れたり停止したり同じ発声を繰り返す会話困難症状で、酷いドモリは生活に重大な影響を与える。子供では5-10%に見られ、大人になっても1%がその後も続くと言われている。

 「以前はドモリは心理的問題として扱われていましたが、今は言語の中枢に問題が生じた脳の病気と考えられるようになりました」とターク大学のジューホ・ジョーサは言う。

ドモリは一般に発育に伴って現れるが、パーキンソン病や脳溢血の症状として現れる事もある。しかしその神経生物学的原因はまだ分かっていなかった。今までの脳スキャンの研究では、映像が原因を現わしているのか、現象が映像となって現れているのかはっきりしなかった。

フィンランド、ニュージーランド、アメリカ、カナダの研究者がこの問題を解くために新しい手法で迫った。そこではドモリの症状が現れた脳溢血の患者を調べて、神経ネットワークに問題が起きているのを突き止めた。

脳溢血患者以外の自然に発症した20人の患者をMRIスキャンで調べると、同じく神経ネットワークに問題が生じていた。問題の神経ネットワークとは被殻であり、扁桃体であり前障であった。即ちドモリはその発症過程に関わらず共通の神経ネットワークに問題が生じている。

「この研究はドモリが感情に必ずしも関係なく起きているのを説明しています。被殻は動作をコントロールし、扁桃体は感情をコントロールする。前障は幾つかの神経ネットワークの結節で情報を中継している」とジョーサは言う。

発表はドモリの神経生物学的仕組みに一歩踏み込み、治療の可能性を開いた。将来は脳の特定個所を刺激する事により治療が可能になるかもしれない。



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