心配、ストレス、不安の違い

2020年2月26日


誰でも日に一度や二度心配、ストレス、不安を経験しているだろう。アメリカでは4,000万人の人が不安症を患っていると、「アメリカ不安と鬱協会」が発表している。2017年の報告によると、4人の内3人は月に一度はストレスを経験しているという。では、貴方が経験しているのは心配かストレスか、不安かと聞かれたら答えられるであろうか。

この疑問に答えてもらうために、私は二人の専門家に会った。

心配とは何か
心配とは、将来がはっきりしない時、何か失敗しそうに感じる時の心の状態だ。「心配とは不安の中の心理部分であり、心理的な囚われである」とカリフォルニア・ミルバリーに住む臨床心理学のメラニー・グリーンバーグは言う。心配とは心であって、体の反応ではない。

心配はどのような影響を与えるか
心配は生活で重要な役割を担っているとハーバード医科大学のルアナ・マークは言う。我々は不確かな事態に直面すると緊張して、心配する。しかしお蔭で問題を解決しようとするし、障害を事前に防ぐ。
「心配は重要であるが、、心配も度が過ぎると有害になる」とマークは言う。
過剰な心配を避けるために
●心配には時間制限を設ける。
例えば同じ心配は20分以内として、それを超える時は意図的に別の方向に考えを向ける。
●何か心配になり始めたら、行動を開始する。
●心配事を書きだす。
10分間の書き出しでも強迫的考えを和らげるという。
心配は物事の取組みを促すが、それが強迫的になったら生活を阻害する。
ストレスとは何か
ストレスとは、外部脅威に対する生理学的反応である。
ストレスを起こす原因は、多くは外部の脅威である。例えば仕事の期限が迫るとか、学校の試験などがそうだ。「ストレスとは環境変化、あるいは対処能力を超える外部圧力と定義できる」とグリーンバーグは言う。

ストレスの作用の仕方
先史時代のストレスとは、獰猛な動物の吠える声だろう。人はストレスを受けると、大脳辺縁系が活性化して、アドレナリンとコルチゾルが分泌され、脳と体が外部脅威に対して準備状態になる。 人によっては心良く感じる時もあるとマークは言う。人はストレスを受けると心臓の鼓動が早くなり、手に汗をかき、息は浅くなる。

人との約束の場所に急いで到着する時、期限に間に合って仕事をやり遂げた時、ストレスの有難さが分かるであろう。この場合は、急性のストレスで、目的が達成されると急激に消えて行く。

これに対して慢性のストレスでは、体がストレスに長く曝されるため、消化器の不調とか心臓の問題、免疫力の減退につながる。
ストレスへの対処の方法
●運動をする。
運動をして増えたアドレナリンとコルチゾルのレベルを元に戻す。
●出来る事と出来ないことを分ける。
出来る事にエネルギーを投入し、出来ないものはしない。
●自分のストレスレベルを他人と比較しない。
ストレスの感じ方は人により違うからだ。
ストレスは生物学的な反応であり、生活の一部でもある。
不安とは何か
ストレスや心配が咳、鼻水だとすると、不安は発熱である。
不安は心配と、ストレスの両方を持っている。「不安とは、心配とストレスが同時に過剰にあると起きる」とマークは言う。

不安の作用の仕方
ストレスは外部脅威に対する体の生理的応答であるが、不安には脅威がない事が特徴である。
「不安とは間違った警報に対する反応である」とマークは言う。
例えば、仕事場に到着したが、そこにいた従業員の一人が貴方を無視したとする。にわかに不安に取りつかれて、もしかしたら上司が怒っているかも知れないし、仕事を失うかも知れないと感じる。血圧が上がり、アドレナリンは分泌され体は緊張状態になる。
不安と不安症では違う。不安症はストレスと心配が限度を超えて、健康な生活を保てない心の病気である。
不安を解消するには
●砂糖、アルコール、カフェインの量を制限する。
不安は生理的反応でもあるから、覚醒効果のある物質はあまり取らない。
●足の指を見つめる。
心の焦点を別方向に向けることにより、不安のぐるぐる回りを停止させる。
●不安でたまらない時は、考えでは解決しない。
音楽を聞いたり、縄跳びをしたり、ビロードの布に手をこすりつけたりして、注意を別方向に向ける。
不安は心と体の両方に起きているから、考えでは解決は出来ない。
まとめると、心配とは不確かな事に対する心の反応であり、ストレスは体の外部脅威に対する生理的反応である。不安は心と体の両方の反応である。不安は適度な分には役立つが過度は良くない。

マーク氏が推薦する不安に対処する方法は、良く寝る事、食事を欠かさない事、栄養ある食事をする、そして体を動かすである。



脳科学ニュース・インデックスへ