痩せていく女優 

                  1998年11月23

ハリウッドにはいつも噂やゴシップが絶えないがテレビタレントのカリスタ・フロックハートが最近激痩せして人をびっくりさせている。彼女はテレビショーのアリー・マックビールの主役をしている。我々マスコミ関係の者はフロックハートがもしや摂食障害を患っているのでないか心配している。特に彼女がそれは否定しているので余計に疑っている。もしテレビ関係者が痩せ過ぎを心配しているのなら何も彼女見たいな有名人を使わなくても十分です。

現在のアメリカには約200万人の人が摂食障害に悩んでいてその大半が女性で少女も含まれます。極端な場合は文字どおり餓死します。そこまで行かなくても骨がもろくなったり命に関わる感染症になったり腎臓障害、心臓障害に煩わされます。幸いにも過去10年の間に医学の進歩で原因と治療法が少しずつ分かって来ました。

数を聞くと驚きますがアメリカでは約150人に1人の割合で十代の女性が拒食症に成ります。拒食症とは最低限の体重を維持するに必要な食事を拒否する病気です。ブリミアについては更に多い数の女性が成ると思われるがはっきりしていない。ブリミアとは一度に2−3日分の食事を30分以内に食べてその後に下剤で流し出すか嘔吐で吐き出す行動をする病気です。年齢に関係なく起こり8歳で発祥する例も報告されている。死に至るのは45歳以降である。

専門家は今までこれらの病気は殆ど心理的問題として処理してきたが、最近では大変気まぐれな生物学的原因が災いしているのでないかと理解されるように成って来ました。ブリミアを患ってはいるが最近1年間正常を保っている女性達のセロトニンの調べた所セロトニン値の異常なレベルを発見している。セロトニンとは脳の神経伝達物質です。これらの事からSSRIであるプロザックとゾロフトがブリミアに効果がある事が説明出来ます。SSRIは神経細胞間のセロトニン量を増やす働きをします。残念ですがこれらの薬は拒食症には効果を示しません。だから拒食症の患者には食事をどうするか食事をどう思うかを再教育しなければなりません。

もし貴方の愛する人が摂食障害であった場合貴方はどうして知る事が出来るか。ブリミア患者はあたかも知ってもらいたい様に証拠を残します。例えば食器棚に下剤を置いておくとか流しに嘔吐物を少し残すとかです。それに比べると拒食症では長い年月に渡って隠そうとして病気である事実を認める事を拒否します。

しかし我々は体型の事を良く気にしているのを聞いたり、骨の様に痩せているのにお尻が大きいと言って不満を述べていたりするとその人の嘘を見抜く事が出来ます。彼女がだぶだぶの服を着て体型を隠していたり、体力を無くして殆ど何時も寝ているとか良く見る必要があります。医者は女性が標準体重より15%軽くて3ヶ月以上月経がない時拒食症を疑います。それ以外にももっと少しずつ進む変化、例えば産毛の成長(これは体が体温を維持する為に起きる)、もろい爪、関節の腫れ等です。ブリミア患者は慢性的な喉の痛み、虫歯(これらは頻繁な嘔吐によって起こされている)、お腹の膨満感、消化に伴う不快感等を訴えます。大事なのは自分で診断して治そうとしては危険だという事です。危険性が大きすぎます。



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