直径1ミリ

最近の研究によると、過食症を起こす原因は大きさにしてわずか直径1ミリの脳内の側坐核にあるとして、ここを刺激して異常信号を抑制すると過食衝動が収まったと言う。大変面白い報告で神経症を扱う当ページでも参考になった。

側坐核を刺激する装置は脳深部刺激装置と言い、脳内に電極を埋め込み適切なタイミングで患部に電気刺激をする。治療を受けた人とは体重は200kgにもなる超肥満の人たちだ。彼等自身も普通でないと分かっているが、むちゃ食いを止めることが出来ない。

最近、日本でもある俳優が敗血症で死んでいる。彼は30歳の時点で130kgの体重になり医者の勧めで50kg体重を落としているがまた元に戻った。敗血症の原因になったのは恐らく糖尿病で、若いころから診断を受けているのに過食癖が治せなかった。彼の意思の弱さを責めたくなるが、そこをぐっと我慢して科学の出番を待ちたい。

脳深部刺激治療を受けた一人が、過食衝動は自分の意思ではどうにもならないと言っている。恐らく脳からは健康な人にはない異常信号が出ていて、この信号が食事衝動を起こすのであろう。

私は神経症の原因も似ているのではないかと考える。神経症では治療衝動が暴走しているため、治療を考えて24時間365日考えまくり、しかもこれが一生続く。私自身も30年間一日も欠かさず考え続けたし、今でもうっかりすると暴走することがある。

神経症の脳にも似たようなからくりが作用しているのではないか。なら神経症に対しても脳深部刺激療法を実施したいが、現段階ではあまりにも情報が乏しく無理である。出来たとしても脳内に電極を埋め込むと言う浸潤性の高い措置は、医療事故、炎症、細菌の感染等のリスクが高いし、装着した電線も外部からの衝撃に耐えられない。でも出来て治療衝動が収まったら、現行の心理相談や、慣れ、訓練を要求する認知行動療法のような治療は一掃されるに違いない。

無為療法では何時できるか分からない脳深部刺激療法の開発を待たないで、自分の意思で異常信号を停止させるのです。人力だから容易でないが、可能であるのを斎藤が実証をした。

何分危なっかしい脳のため繰り返し試す必要があるが、何度か試していると次第にそのコツがつかめ、暴走と暴走の間の凪の期間が長くなって健康とはどんなものであるかを体得するようになる。健康である時間が長くなれば脳は安定し、将来的には敢えて努力をしなくても健康な生活を過ごすことが出来ると確信している。

貴方はここで完治根治以外は認めないと言ってはならない。それが神経症脳の要求する無理難題であり、行き着く先は精神病院なのです。



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