神経症者のマインドコントロール


安倍氏の暗殺と言う衝撃的事件に会いまして、カルトのマインドコントロールのあまりの強さに言葉を失っています。山上容疑者の母は統一教会の信者でその献金額が一億円と言われている。土地を売り、家を売り、子供の養育を放棄して、なお且つ叔父が見かねて仕送りしていた毎月5万円の金まで献金していたとは。
ここまで子供が追い詰められているのに母はマインドコントロールから抜けられない。自分の子供が安倍氏を殺害したことを世間に詫びても、統一教会の責任は追及してない。これが恐ろしい宗教のマインドコントロールの正体です。

私は同じ強さのマインドコントロールを、神経症者に対する森田療法に見ます。この場合は強制されたマインドコントロールではなくて、神経症者の波長と森田の波長が共振して起きた共振マインドコントロールです。

30年間森田の本を読みまくって今や廃人のようなのに、未だ本屋通いをする。動きが大事とばかり、禅寺の作務のような雑用を試みてもう20年、30年、一向に良くならないどころか、いよいよ簡単な生活動作も出来なくなっているのに未だ作務を続ける。

あるいは、何処からか見つけて来た山中の怪しげな修養道場に出かけると言う。最近の怪しい科学でもある脳に磁気を当てる療法を試す。出来たらアメリカへ幻覚キノコ療法を受ける旅に出たいとも言う。このように神経症者ではもう療法探しが止まらないのです。
この神経症者の度を越した療法発見の旅が、前述の宗教のマインドコントロールとどれほど違いがあるだろうか。

宗教のマインドコントロールも神経症者の森田療法マインドコントロールも、本質は脳の狂いにあるでしょう。神経症では不安恐怖があまりにも強いから、それを完治根治してあげるとつぶやく人間にまっしぐらに飛んで行く。
こんな事をしていたらダメだは誰でも言えるが、恐怖で盲目になった神経症者には通じない。しかしこの神経症的マインドコントロールを何時かきっぱり切らないと人生は崩壊します。統一教会でも退会に成功した人がいるように、神経症でも森田療法から退会出来る。

統一教会を抜け出した人たちの意見を聞いているとそれぞれ違った理由をあげるが、神経症の森田療法退会のやり方も色々あるでしょう。私の場合、宇佐先生の本であった。

神経症者が悪い癖から抜け出すにはまず自分の歴史を見ればよい。もう神経症脱出努力をどれほどやっているか。30年、50年なんてざらで、今後その努力を繰り返していても神経症を治す可能性はゼロであると先ず認識する事です。

次には今までやったことがないことを試すことです。神経症者がやったことがない事とはただ一つ、神経症治療行為の停止です。これは宗教のマインドコントロールから抜けだす以上に難しい。

宗教では脱会しようとすると教団が地獄に落ちると恐怖を煽るらしい。神経症では治療努力を放棄すると恐怖が襲ってくる。このままだと地獄に落ちて行くように感じ、居ても立ってもいられなくなる。こうして多くの神経症者が森田療法的罠から逃れられないで一生を終わってしまいます。

でも統一教会、オウム真理教でも脱会した人がいるのだから、神経症でも森田療法を脱会出来ないはずはない。



ホームページへ