神経症とは1


神経症とは無限運動をしている円盤に例えられる
神経症者ではストレスを受けると心に神経症円盤を回転するモーメントエネルギーが発生して、円盤は回転し始める。円盤が回転し始めると、神経症者は神経症不安の原因解明とその対策に必死になる。必ず対策を発見しそれを実行するが失敗し、挫折感は更なる円盤の回転エネルギーを生む。一度この円盤の回転が始まると停止することはなく、殆どの人は一生神経症との戦いで終わってしまう。故に神経症を難治性の強迫性精神障害とする。

無為療法とはこの円盤の回転を止める療法である。
  • 生きても死んでも、今後一切の治療行為をしないと決意する。
  • 治療行為ををしないと決意すれば、後は動物としての動きだけである。 これを雑用と言い、雑用を「無」、即ち神経症を治す目的なしにする。
  • 雑用も、神経症を治す目的ですると神経症は悪化する。
原因を究明せず、方法を発見せず、治療法を実行せず、失敗もせずとやると、神経症回転円盤に回転エネルギーが発生しないから次第に速度は落ち、最後に停止する。

何故動けないか
神経症者は大変動くのが難しい。理由は、強迫観念が荒れ狂っているからです。強迫観念が猛威を振るうと、無意識の活動が停止してしまう。日常の簡単な動作を指令しているのは無意識であるから、その活動が停止すると動きも停止する。しかし、意図して動こうとすると難しいが、強迫観念を抑制する方向に舵を切ると体は自然に動く。強迫観念の猛威を収める最大の方法は、治療行為の完全停止なのです

神経症と化学的平衡
神経症が治るとは森田療法が言う完治とは違う。化学反応の平衡状態に似ていて、反応は右にも左にも行くが、一方的に右(健康状態)にずれた状態を神経症の治りと言う。
我々は化学の授業で化学平衡を学んだ。例えば酢酸を水に溶かすと下に示す平衡状態が現れ、酢酸の分子は3つの状態を同時に維持している。反応は右にも左にも行き、一定温度で一定の平衡を保つ。
CH3COOH(酢酸) CH3COO- +  H+(+-に電離した状態)

酢酸のビーカー中での状態
神経症を化学平衡で説明すると
神経症が悪い状態 神経症の状態 回復した状態 斎藤の状態 健康な人
神経症健康 神経症健康 神経症健康 神経症健康 神経症健康
100:1 10:1 1:10 1:100 0:∞無限大
1日の大半が神経症に張り付いている 神経症ではあるが仕事が出きる 雑用がスムーズに出来て敢えて仕事、勉強、将来を考えない ほぼ神経症全快状態だが、完全にフラッシュバックフリーにはなっていない 脳が神経症状態を全く起さないから神経症とは何か理解出来ない

神経症と量子力学
神経症者のニュートン力学 斎藤の量子力学
位置 自分の位置を特定出来るし、特定しようとする。 自分の位置は、麓にいるか頂上にいるかの二者択一である。
移動 麓から山頂へは、努力を重ねてゆっくり移動すると考える。 麓から山頂へは、1秒の100分の1で到達する。
改善 従って、以前に比べて改善したと言う。 治りか神経症かの選択であるから、途中の改善状態は存在しない。
ルート 頂上へは、連続するルートがあると考える。 頂上へのルートは存在せず。
努力 我慢して努力をすれば、登頂に成功すると考える。 我慢と努力が消えた時、既に頂上に立っている。

フラッシュバック(Flash-back)
フラッシュバックは神経症の本質であり、我々は中々根絶できない。フラッシュバックとは突然襲う神経症の激震であり、ちょっとした心のストレッサーで何時でも起こり得る。神経症者では毎時、毎分起きているから何時もフラッシュバックの状態であるが、神経症が治りかけた人、治った人ではこの回数が大幅に減っている。斎藤の現在の発生率は数ヶ月に1回で、ここ迄来るには10年の歳月が必要であった。

神経症の治癒過程
ムードスウィング(心の上下動)は無為療法を実施した直後から殆ど消滅するが、フラッシュバックは簡単には消えない。斎藤の場合、5年経った時点でかなり怪しい時があったが、継続的に無為療法をやることにより、今は数ヶ月に1度位に減少していて殆ど健康な人と変わらない。


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