神経症とは3

(1)神経症者の脳では次の部分で問題が起きている
2005年5月10日アメリカ国立精神衛生研究所発表
  1. 前部帯状回で灰白質の形成がよくない。
  2. 帯状回と扁桃体を結ぶ回路(感情を制御する回路)での灰白質の形成がよくない。
  3. 前部、後部帯状回でセロトニン5−HT1A受容体の数が健康体に比べて3割少ない。




(2)境界領域者の脳にも同様の構造上の違いがある
2008年10月2日アメリカ国立精神衛生研究所発表  
  1. 前帯状皮質の灰白質の密度が著しく低い。
  2. 扁桃体(感情の中枢)の灰白質の密度が著しく高い。
  3. その結果、恐怖する顔を見た時、前帯状皮質の活動が健康な人に比べて不活発であった。
境界領域患者の脳では前帯状皮質の灰白質の密度が著しく低い。前帯状皮質とは写真の右に黄色に光っている部分で、この部分は感情の中枢(その下)をコントロールしている。 境界領域の患者では扁桃体(感情の中枢)の灰白質の密度が著しく高い。
赤く輝いている部分が扁桃体。
境界領域の患者では、恐怖する顔を見た時、前帯状皮質(一番右でオレンジに輝いている部分)の活動が健康な人に比べて不活発であった。


(3)鬱病患者のいる家族では脳皮質が薄くなっている
2009年3月24日ニューヨークタイムズ 健康欄から
鬱病を発症している家族を詳しく調べた研究で、その家族の脳には構造的違いがあるのが発見された。特に脳の一番外側部分である右脳皮質が目だって薄くなっていた。皮質の薄化は鬱病を発症するサインであるかも知れないと研究は言う。
上の写真は右と左の脳半球を示している。緑、青、ピンクの色は、鬱病ハイリスクグループとローリスクグループの脳皮質の厚さの違いを示している。ハイリスクグループとは家族に鬱病患者がいるグループでローリスクグループとは鬱病が発生していない家族グループである。ピンクの部分に最も厚さの違いが目立ち、青はそれに次ぐ。緑の部分では両グループに特別な違いが見られない。
コロンビア大学 ブラッドリー・ピーターソン氏提供

(4)ジャンクDNAが灰白質の形成を制御している
遺伝子と言えば蛋白質をコードする暗号であるから、従来は蛋白質を決定するExon部分に焦点が当てられていたが、神経症的性格の決定には、今までジャンクDNA(Intron)と呼ばれていた意味不明部分が関与しているのが分った。